自動車を購入したら自動車保険に必ず加入しないといけないの?

公開日:2022/02/01  最終更新日:2022/02/07

2020年5月に損害保険料率算出機構が発表した「自動車保険の概況」によると、自動車保険の未加入者の割合が1割ということが分かりました。全ての自動車は自賠責保険の加入が義務付けられています。しかし自賠責保険では全ての賠償を補償できません。そこで不足分を補うために個々に自動車保険(任意保険)への加入が推奨されています。

自動車保険は任意保険?義務化できない理由とは

なぜ自動車の保険には「自賠責保険」と「自動車保険」の2種類あるのでしょうか。ここではそれぞれの保険の特徴と仕組みについて解説します。

自賠責保険

「自動車賠償責任保険」(通称「自賠責保険」)は、原動機付自転車を含む全ての自動車に加入が義務付けられています。自賠責保険で補償されるのは、対人事故の賠償損害のみです。支払いの限度額は損傷による損害で120万円。これは治療費、通院にかかる交通費、休業補償や慰謝料まで全てを含んだ金額です。

そして交通事故により相手に後遺障害が残ってしまった場合の限度額は最大で4,000万円。相手を死亡させてしまった場合の限度額は3,000万円です。ちなみに車検が切れると自賠責保険も未加入となります。車検切れの自動車で事故を起こしてしまうと、損害賠償の全額を個人で負担することになります。

自動車保険(任意保険)

自賠責保険で補償しきれない分を補うのが自動車保険です。保険加入は「任意」となっていますが、ほとんどのケースにおいて自賠責保険の補償額では不十分なため、自動車保険への加入は自動車を所有する上で必要とされています。

自動車保険の補償は自賠責保険の限度額を超えた賠償額の補償だけでなく、運転者自身が亡くなった場合、車やモノを壊してしまった場合など、幅広く対応しています。

自動車保険の取扱いは、損害保険会社が一般的です。保険料や補償内容、付帯サービスは損害保険会社によって変わります。また協同組合などの団体が運営する自動車共済でも、自動車保険と同等の補償が受けられます。

保険の制度は変えられないのか?

「自動車保険の加入が大前提ならば、義務化にすればいいじゃないか」「自賠責保険の補償限度額を引き上げて、保険を一本化すればいいじゃないか」このように思う人もいるでしょう。しかし「自動車保険の義務化」や「保険の一本化」等、保険制度を変えるには大きな法改正が必要です。

自賠責保険の補償内容は、昭和30年に被害者救済を目的に制定された「自賠法」によって決められています。しかし高度成長期を通じて交通事故が急増。自賠責保険では補償しきれないさまざまな補償の必要性が問われ、損害保険会社が商品として自動車保険を用意しました。そして現在までに自動車保険は各損害保険会社の主力商品に成長します。

このような背景を鑑みて、もし自動車の保険を自賠責保険に一本化してしまうと、民業圧迫となり損害保険会社は立ち行かなくなるでしょう。また「無制限賠償」や数々の特約を備える自動車保険の義務化は、自賠責保険の運用にも大きな問題が生じます。このようは背景から自動車保険の義務化に踏み込めないのです。

無保険車が事故を起こすと大変なことになる!

もし無保険車が事故を起こしてしまったら、どんな事になるのでしょうか。人身事故や物損事故では賠償額が数億円にものぼり、この賠償額を個人で負担することになります

ちなみに損害保険利率算出機構の「2016年度自動車保険の概況」によると、人身事故の最高賠償金額は52,853万円(平成23年判決)、物損事故では26,135万円(平成6年判決)の支払命令が下されています。死亡事故の場合、自賠責保険で補償されるのは3,000万円が上限。物損事故に関しては補償されません。

自動車保険未加入だったら、果たしてこの賠償金額を支払うことはできるのでしょうか?なお内閣府の発表によると、平成24年度に自動車保険で支払われた死亡事故の賠償額は平均で3,563万円です。

自動車保険には加入しておいた方がいい

任意の自動車保険に加入すれば、万一の際の補償だけでなく、様々な特約が設けられています。ここでは自動車保険を検討する際、加えておきたい特約を紹介します。

弁護士費用特約

自動車事故や日常生活で被害に遭った場合、損害に対する賠償請求を弁護士に委任する際の費用や法律相談費用などを補償する特約です。

車両全損時一時金特約

地震や噴火、津波など大規模な自然災害に巻き込まれ、自動車が全損しても、残念ながら車両保険では補償対象外となります。しかし「車両全損時一時金特約」を付けていれば、被保険者が臨時に必要となる費用(最大50万円)が支払われます。

個人賠償責任特約

この特約は自動車事故ではなく、本人や配偶者、同居人が日常生活における偶然な事故で加害者となり、法律上の損害賠償責任を負った場合、その費用が補償されます。「自転車で事故を起こしてしまった」「子どもが他人の車を傷つけてしまった」「飼い犬が他人を怪我させた」などが該当します。

無保険車傷害特約

もし事故を起こした相手が無保険車だった場合、十分な補償を得られない可能性があります。このような事態に備えた特約が「無保険車傷害特約」です。ただしこの特約を受けられるのは、死亡、もしくは後遺障害を負った場合のみです。多くの損害保険会社ではこの特約は自動で付帯されていますが、万一の際に備えて契約時に確認しましょう。

 

自動車保険の保険料は等級や契約内容、契約車種によって大きく変わります。そしてその金額は決して安くはありません。しかしハンドルを握る以上、任意とは言え自動車保険の加入は必須です。自動車保険未加入車は公道を危険に晒していると言っても過言ではありません。ご自身の未来を守るため、そして事故となった相手を守るためにも、自動車保険の加入をお願いします。

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